業況DIは、足踏み。先行きは懸念材料多く、慎重な見方が続く(LOBO調査2019年2月結果)
日本商工会議所が28日に発表した2月の商工会議所LOBO(早期景気観測)調査結果によると、2月の全産業合計の業況DIは、▲18.1と、前月から▲2.1ポイントの悪化。民間工事を中心とする建設業の底堅い動きに加え、インバウンド需要が堅調に推移したものの、根強い消費者の節約志向により売上が伸び悩んだ飲食・宿泊業を中心に、サービス業の業況感が悪化した。また、暖冬に伴う農産物の出荷量増加・価格下落により、卸売業の業況悪化を指摘する声が聞かれた。深刻な人手不足の影響拡大や原材料費の高止まりによる収益圧迫が中小企業のマインドを下押ししており、景況感には鈍さが見られる。
先行きについては、先行き見通しDIが▲16.0(今月比+2.1ポイント)と改善を見込むものの、「悪化」から「不変」への変化が主因であり、実体はほぼ横ばい。個人消費の拡大やインバウンドを含めた観光需要拡大、補正予算の早期執行への期待感がうかがえる。他方、人手不足の影響の深刻化や、原材料費の上昇、コスト増加分の価格転嫁遅れ、貿易摩擦の激化、世界経済の動向、消費増税の影響など不透明感が増す中、中小企業の景況感は慎重な見方が続く。
項目別では、全産業合計の売上DIは▲14.0と、前月から悪化。産業別にみると、建設業、製造業で改善、小売業でほぼ横ばい、その他の2業種で悪化した。
全産業合計の採算DIは▲17.8と、前月から悪化。産業別にみると、全業種で悪化した。
全産業合計の資金繰りDIは▲10.3と、前月から悪化。産業別にみると、製造業、卸売業で改善、小売業でほぼ横ばい、その他の2業種で悪化した。
全産業合計の仕入単価DIは▲38.5と、前月から悪化。産業別にみると、建設業、製造業、卸売業で悪化、その他の2業種でほぼ横ばい。
全産業合計の従業員DIは25.9と、前月からほぼ横ばい。産業別にみると、製造業で人手不足感が強まり、小売業で人手不足感が弱まった。その他の3業種ではほぼ横ばい。
なお、今月の付帯調査は、「トランプ米政権による貿易摩擦の動きに伴うビジネスへの影響」「事業者向け(BtoB)販売における販売先との取引条件」について実施。
詳細は、LOBO調査ホームページ(https://cci-lobo.jcci.or.jp/)を参照。