「中小企業の活力強化・地域活性化のための規制・制度改革の意見30」を提出
日本商工会議所(三村明夫会頭)は5月9日、「中小企業の活力強化・地域活性化のための規制・制度改革の意見30」を、政府の規制改革会議(議長=岡素之住友商事相談役)、経済財政諮問会議(議長=安倍晋三首相)、産業競争力会議(議長=安倍晋三首相)に提出した。
本意見は、平成26年2月から3月にかけて、各地の商工会議所を通じて会員企業等にヒアリングを行い、『中小企業の活力強化』や『地域の活性化』の視点で、規制・制度改革を希望する“現場の生の声”を30項目にまとめたものである。
特に、①中小企業の成長を促進、②地域の再生・活性化を後押し、③対日投資を拡大する改革を推進するとともに、既存の構造改革特区や総合特区、さらには国家戦略特区で認められた特例措置を全国に適用拡大し、日本全体の底上げにつなげることを求めている。
主な内容は次のとおり。
○創業・起業・ベンチャーの支援
➢中小・小規模事業者が農林水産加工品を製造する際の食品衛生法の施設基準を緩和すること
○経営力の強化・人材の確保
➢外国人技能実習制度の対象職種・作業を拡大(介護、地場産品製造等)すること
○海外展開・国際競争力の強化
➢貿易業者が輸入申告を行う税関官署を自由に選択できる制度を早期に実現すること
○観光産業の振興
➢日本の空港を経由して外国へ向かう外国人の乗継客を地方への観光客として取り込むため、乗継客向けの無査証入国制度を導入すること
➢外国人旅行者(インバウンド)の受入体制とおもてなしを強化するため、特別史跡である大阪城等の敷地内に施設の建設を認めること
○強い農林水産業づくり
➢「農地」の地目のままで高度な水流技術を使うメロン等の水耕栽培用の植物工場の建設を認めること
○地域の安心・安全・成長を支える基盤づくり
➢高齢者等の買い物弱者のために、薬局による医薬品の移動販売を認めること
➢人と環境に優しいスマートシティづくりを推進するため、スマートメーターから分電盤までの電線で2MHzから30MHzの周波数帯の使用を認めること
○外国企業の誘致促進
➢国家戦略特区で認められる容積率緩和の特例措置を、国際的ビジネス拠点の整備に取り組む他の地域でも認めること
○行政・財政運営の見直し
➢競り下げ方式による公共入札制度について、中小・小規模事業者への影響を検証し、見直すこと
日本商工会議所では、今後も、規制・制度改革を望む中小企業や地域の声を収集し意見を申し述べるとともに、中小企業の成長と地域の再生、日本経済発展のために尽力していく所存である。