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持続可能な観光地域づくりの鍵となる「稼ぐ力」など分析(観光白書)

 政府は13日、2023年版の「観光白書」(令和4年度観光の状況および令和5年度観光施策)を閣議決定した。白書では、コロナ禍から回復に向かう世界と日本の観光の動向を分析し、新たな観光立国推進基本計画が目指す「持続可能な形での観光立国の実現」の鍵となる「稼ぐ力」に着目。国際比較データや地域事例分析を基に、観光地や観光産業の「稼ぐ力」の好循環による持続可能な観光地域づくりの推進に向けた国の政策の方向性を報告している。

 国内外の観光の動向については、国連世界観光機関(UNWTO)によると、22年の国際観光客は前年比4億6200万人増の9億1700万人(21年比101.5%増、19年比37.4%減)となり、コロナ禍に伴う渡航制限などによる旅行需要の減少が続いたが、2020年を底に回復傾向。訪日外国人旅行者数は、6月の外国人観光客の受入再開後、10月の入国者数の上限撤廃、個人旅行の解禁、ビザなし渡航の解禁などの水際措置の大幅緩和などにより大きく増加し、年間では約383万人(19年比88.0%減)となった。また、日本の観光の「稼ぐ力」を分析するため、観光関連産業の付加価値額「観光GDP」に着目。2019年の日本の観光GDPは11.2兆円となり、経済全体に占める観光GDP比率は2.0%で主要7カ国平均の4.0%と大きな差があることなども示した。

 「持続可能な観光地域づくり」の推進に向けては、生産性の低さや人材不足など顕在化している観光産業の構造的課題を踏まえ、「稼げる地域・稼げる産業」へ変革の必要性を指摘。「宿泊施設の個人客に対応した客室の上質化改修や、廃屋撤去による景観改善」「宿泊事業の顧客予約管理システム(PMS)による情報管理の高度化や人員配置の効率化」「人材を顧客管理(CRM)の高度化に重点化。顧客の嗜好に合わせた接遇や宣伝により、満足度とリピート率を向上」「DMOを中心に宿泊施設間のデータ共有。閑散期の新規顧客開拓や需要に応じた価格設定を促進」「インバウンドやマイクロツーリズム(近隣観光)に着目した需要平準化、稼働率安定化」など高付加価値化、観光DX推進、旅行需要平準化の具体策も示している。

 詳細は、https://www.mlit.go.jp/kankocho/news02_000517.htmlを参照。

 

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