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需要制約経済から供給制約経済への移行に伴う課題と方向性など議論(新しい資本主義実現会議)

 政府は26日、第25回「新しい資本主義実現会議」(議長:岸田文雄首相)を開催し、需要制約経済から供給制約経済への移行に伴う課題と方向性などについて議論した。会議に出席した日本商工会議所の小林健会頭は、「成長型経済への移行を確実なものとしていくためには、中小企業が自己変革に挑戦するとともに、取引価格の適正化を通じた原資の確保により、自発的・継続的に賃上げ・投資できる環境の整備が不可欠」と強調。岸田首相は、持続的な構造的賃上げ実現に向け「労務費の価格転嫁に加え、中小・小規模企業の労働生産性の引き上げのための省力化投資に官民挙げて全力で取り組む」と述べた。

 小林会頭は、自動化、省人・省力化投資、デジタル・ロボット実装については、「中小企業が生産性を高めていくためには、デジタルツールの活用が不可欠」と指摘。「各地商工会議所では、中小企業のデジタルツール導入支援を行っているが、こうした活動の徹底強化が必要」と述べた。また、「公的職業訓練の抜本強化をはじめ、リ・スキリング支援の充実が不可欠」と述べ、人材育成の重要性を強調した。

 企業の新陳代謝、事業譲渡・事業再編・M&Aの環境整備については、「企業の新陳代謝は、健全な競争環境の下で、結果として生じるもの」とした上で、ローカル企業については、「海外を含めた域外需要の獲得、事業領域拡大による売上・顧客増、あるいは、協業など効率化によるコスト・固定費削減を図らなければ存続が難しい」と指摘。「中小企業の経営者が、事業譲渡・再編・M&Aなどのさまざまな選択肢を経営ツールとして十分に理解し、自己変革に挑戦できる環境の整備が重要」と述べ、「そのためにも、産業競争力強化法改正法案の早期成立に期待する」との考えを示した。

 事業承継については、「後継者が個人保証を求められることが障害要因であり、対策強化が必要」と指摘。事業承継税制については、「役員就任要件の見直しと同税制の恒久化に向けた検討も必要」と述べた。また、M&A に係る税制・助成金、仲介手数料体系のより一層の透明化や低廉化などの対策の検討を求めている。

 岸田首相は、現在進行中の春季労使交渉について、「これまでのところ、昨年を大きく上回る力強い賃上げの流れができている」と評価。「来年も再来年も持続的な構造的賃上げを実現していくために、労務費の価格転嫁に加え、中小・小規模企業の労働生産性の引き上げのため、省力化投資に官民挙げて全力で取り組む」と強調した。

 事業承継については、「同族承継に加え、企業内部からの昇格やM&Aによる外部からの就任が増加していることから、承継支援の多様化を図る」と言明。M&Aについては、「売り手側・買い手側が円滑に相談できるよう、仲介事業者の手数料体系の開示を求めるとともに、中小・小規模企業への支援を進める」と述べ、事業再構築に当たっては、経営者保証を見直す枠組みを検討する考えを示した。

 詳細は、https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/atarashii_sihonsyugi/kaigi/dai25/gijisidai.htmlを参照。

 

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