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参議院経済産業委員会で「産業競争力強化法等改正案」について意見陳述しました

 本日(2021年6月1日)、参議院で開催された経済産業委員会において、当所・中小企業経営専門委員会の伊藤光男共同委員長(川口商工会議所会頭)が、「産業競争力強化法等の一部を改正する等の法律案」の審議に関連して、参考人として意見陳述いたしました。

 

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 同委員会の中で、伊藤共同委員長は、「現下の中小企業の業況」「中小企業政策に関する基本的考え方」「法律案に関する意見」等について、以下の意見を述べました。

(1)現下の中小企業の業況

■新型コロナウイルスの完全な収束が見通せない中、中小企業・小規模事業者は、昨年来、未曽有の影響を受け続けており、極めて厳しい経営環境に置かれている。

■経営者の心が折れずに、事業継続に希望を持つことができるよう、“切り札”と期待されるワクチン接種の加速化や医療体制の早急な充実化を含め、「感染症対策と経済活動の両立」により一層取組んでいただくことが急務。何よりの経済対策は、ワクチン接種の加速である。

■最低賃金については、昨年度と同様に現行水準を維持すべき。

■「カーボンニュートラル」「デジタル革命」「海外へのビジネス展開」に、中小企業が対応できるよう後押しいただくことも極めて重要。

(2)中小企業政策に関する基本的考え方

■中小企業の実態は、まさに「多種多様」。キラリ光る技術や製品を持ち、サプライチェーンの中で重要な役割を担い、グローバルに展開する大きめの中小企業もあれば、逆に外部環境の変化に小回りを利かして機敏に対応するため、あえて規模的な成長を追求せず、事業の持続的な成長を図りながら「身の丈」にあった経営を選択している中小企業も多くいる。

■中小企業政策では、こうした多種多様な中小企業の実態を十分踏まえたうえで、各施策のバランスをとりながら、地域経済と雇用の担い手である中小企業の「持続的発展」と「足腰の強化」に向けて、力強く後押しいただくことを期待。

(3)法律案に関する意見

■「グリーン社会への転換」「デジタル化への対応」について、今般、認定企業への税制措置や金融支援が盛り込まれたことは、時宜を得たものと考える。中小企業にとって使いやすい制度となるよう期待。今後、中小企業向けの予算措置を充実いただきたい。

■「新たな支援対象類型の創設」により、中小企業から中堅企業への成長途上にある企業群を新たに支援対象に加えることは、規模拡大を志向する中小企業にとって心強い制度だ。

■下請取引の適正化に向け、今般の法改正とともに「執行の強化」を期待する。

■「パートナーシップ構築宣言」については、政府の掲げる今年度中の「2,000社目標の達成」に向け、官民あげて周知や働きかけを実施する必要がある。例えば、今回の法改正による「繰越欠損金の控除上限」の特例を利用する企業に宣言公表を推奨いただき、グリーン化への取組みやデジタル化への対応につき応援をお願いしたい。

 

<動画> ※参議院インターネット審議中継

https://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/detail.php?sid=6414

 

<議事録> ※国会会議録検索システム

https://kokkai.ndl.go.jp//#/detail?minId=120414080X00720210601&current=1

 

<「産業競争力強化法等の一部を改正する等の法律案」の概要>

https://www.meti.go.jp/press/2020/02/20210205001/20210205001-1.pdf

https://www.meti.go.jp/press/2020/02/20210205001/20210205001.html

 

<日本商工会議所資料> ※PDF形式5.1MB

https://archive.jcci.or.jp/chusho/20210601sangiin.pdf