「令和3年度税制改正に関する意見」を公表
日本商工会議所(三村明夫会頭)は、9月16日に「令和3年度税制改正に関する意見」を取りまとめ、内閣総理大臣、財務大臣、経済産業大臣をはじめ政府・政党など関係各方面に提出します。
意見書では、コロナ禍によりわが国経済はかつてない危機的状況に直面しているとし、経済の長期停滞が想定される現下の状況では「企業の事業継続・雇用維持に資する税制」を措置すべきと主張しています。また、「ポスト・コロナ時代」を見据え、デジタル化、経営資源の集約・強化等、経済再生の原動力となる「ビジネスモデルの変革を後押しする大胆な税制」の実現と、不確実性に対処できる強靭な国づくりが不可欠であるとし、行政分野のデジタル化、財政健全化、地方創生・地域活性化を一層推進すべきとしています。
詳細につきましては、以下の詳細資料をご覧ください。
<主な内容>
Ⅰ.中小企業の事業継続・雇用維持に資する税制措置
○財務基盤の強化を促す税制の整備(中小企業の法人税の軽減税率(15%)の延長・恒久化、欠損金の繰越控除の拡充等)
○土地に係る固定資産税の一定期間の税額(課税標準)の据置等の緊急措置及び負担調整措置の延長等
○消費税インボイス制度の導入凍結、小規模事業者の電子帳簿の促進(電子帳簿保存法の思い切った要件緩和、青色申告特別控除における電子化インセンティブの拡充等)
○地域の需要喚起に資する税制の整備(地域商工業者を応援するクラウドファンディングの活用促進等)
Ⅱ.コロナ禍を乗り越え、挑戦する中小企業を支援する税制措置
○中小・中堅企業のビジネスモデルの変革を後押しする税制措置(経営資源の集約・強化に取り組む中小企業を後押しする税制の創設、地域未来投資促進税制の延長・拡充(サプライチェーンの強靭化等))
○中小企業向け設備投資減税、研究開発税制、所得拡大促進税制の延長・拡充・要件緩和
○デジタル化の促進(デジタル化投資を促す少額減価償却資産特例の拡充、地方税の電子納税対象の拡大等)
Ⅲ.消費税の価格転嫁の円滑化、インボイス制度への対応
○外税表示の恒久化、価格転嫁拒否行為の機動的な取締体制の継続等、消費税の円滑な価格転嫁の実現
○消費税インボイス制度の導入凍結、小規模事業者の電子帳簿の促進(再掲)
○消費税制度の見直し(軽減税率制度の将来的な見直し等)
Ⅳ.円滑な事業承継の実現に資する税制措置
○事業承継税制の利用促進に向けた制度の改善(特例承継計画の提出期限(2023年3月末)の延長、相続発生時における後継者に係る役員就任要件の撤廃等)
Ⅴ.地域の強靭化、地方創生に資する税制措置
○大規模災害に備える防災・減災対策や、地方創生・民間のまちづくり意欲を引き出す税制措置
Ⅵ.中小企業の経営基盤の強化に資する税制措置
○中小・中堅企業の活力強化に資する税制の見直し(印紙税、事業所税の廃止等)
○中小企業の経営基盤を阻害する税制措置への反対(炭素税など追加的なカーボンプライシングの導入、外形標準課税の中小企業への適用拡大、個人住民税の現年課税課等への反対)
○事業再生を支援する税制措置の拡充
<詳細資料>
令和3年度税制改正に関する意見(概要)【PDF】
令和3年度税制改正に関する意見(本文)【PDF】