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業況DIは、4か月連続で足踏み続く。先行きは、円安の伸長等によるコスト増で懸念続く(LOBO調査2023年9月結果)

 日本商工会議所が29日に発表した9月の商工会議所LOBO(早期景気観測)調査結果によると、全産業合計の業況DIは、▲9.0(前月比▲0.1ポイント)。建設業では、国土強靭化事業をはじめとする公共工事の受注が堅調に推移し、改善した。小売業では、高付加価値商品の販売やインバウンド需要が好調な百貨店が下支えし、改善した。また、卸売業でも小売業からの引き合い増加で改善した。一方、製造業では、円安の伸長による輸入部材の価格高騰により悪化した。サービス業では、慢性的な人手不足により、飲食・宿泊業を中心に、悪化となった。各業種の業況はまだら模様となったものの、エネルギー価格の高騰によるコスト増や深刻な人手不足等、業種を問わない課題は山積しており、中小企業の業況は4か月連続で足踏みが続いている。

 先行き見通しDIは、▲12.9(今月比▲3.9ポイント)。インバウンド需要の継続的な回復や、個人消費の拡大を期待する声が聞かれている。一方で、円安の伸長やエネルギー価格等の高騰でコスト増が続く中、賃上げ対応に必要な価格転嫁も十分に行えておらず、収益圧迫が続いている。また、地政学リスクの高まりで世界情勢も不安定な中、インボイス制度や働き方改革など対応すべき諸課題も多く、中小企業の先行きは厳しい状況が続く。

 なお、今月の付帯調査は、「2023年度の賃金(正社員)の動向」「ALPS処理水の海洋放出による企業活動や地域経済への影響」について実施。

 詳細は、LOBO調査ホームページ(https://cci-lobo.jcci.or.jp/)を参照。