「「総合資源エネルギー調査会 基本政策分科会 再生可能エネルギー主力電源化制度改革小委員会 中間とりまとめ(案)」に対する意見」を経済産業省資源エネルギー庁に提出
日本商工会議所は1月24日、経済産業省資源エネルギー庁が実施した「総合資源エネルギー調査会 基本政策分科会 再生可能エネルギー主力電源化制度改革小委員会 中間とりまとめ(案)」に対する意見募集(パブリックコメント)に対し、同庁に意見を提出した。
意見の概要は以下の通り
(1)当所の基本的考え方
当所は、再生可能エネルギー固定価格買取制度(FIT制度)について、急増する買取費用総額(2019年度、3.6兆円)を背
景に、従前より国民負担の抑制およびそのための制度の見直しを要望してきた。今般、国民負担の増大および系統制約の顕
在化等の課題を解決し、再生可能エネルギーが主力電源となるための抜本的な制度見直しが行われることを評価する。
(2)当所意見の概要
Ⅰ.電源の特性に応じた支援制度
・FIP制度における価格決定にあたっては、より効果的に市場機能を活かすためにも入札制を活用すべきである。また
入札上限価格の設定については、コストの積み上げのみならず市場動向および将来的なポテンシャル・
ターゲットも評価したうえで、コスト削減効果も踏まえ慎重に検討・決定すべきである。
・レジリエンス強化等の観点からFIT制度の枠組みを残す地域活用電源のうち、自家消費型電源について、その要件に
おける自家消費比率の設定に際しては、できる限り高い水準とすべきである。
・地域消費型の対象とするバイオマス発電の要件について、輸送距離の短縮によるコスト削減を重視する方針を評価
する。今後の検討においては、ライフサイクルGHG排出量等燃料調達から見た温室効果ガスが、どの程度排出され
ているのか、といった視点も取り入れるべきである。
Ⅱ.地域に根差した再エネ導入の促進
・標識・柵塀の設置義務に違反する案件に対して、一定期間を経ても改善が確認されない案件については、認定取消
しを含めた対応を速やかに行う方針を高く評価する。
・太陽光発電設備の廃棄等費用について、原則、源泉徴収的な手法により徴収する外部積立てを発電事業者に義務付
ける方針を高く評価する。
Ⅲ.再エネ主力時代の次世代電力ネットワーク
・地域間連系線等の系統の増強に係る費用について、再エネ寄与率を参照し、その範囲に限定して賦課金方式で徴収
した交付金を充てる案については、前提として既存系統の最大限の活用と、費用便益計算が十分に行われること、
発電コストに系統整備コストを加えたトータルコストが現状よりも低減することが必須である。
Ⅳ.その他の論点
・運転開始期限による規律が働かず、長期に運転を開始しない未稼働案件への対応について、現行の運転開始期限に
係る措置に加えて、認定失効を含めた措置を講じる方針を高く評価する。可能な限り早期かつ厳格な制度化を望む。
当所意見の全文については以下リンク先をご参照
◆「「総合資源エネルギー調査会 基本政策分科会 再生可能エネルギー主力電源化制度改革小委員会 中間とりまとめ(案)」に対する意見」
https://archive.jcci.or.jp/2020-124cci-energy-public-comment.pdf
<ご参考>
総合資源エネルギー調査会 基本政策分科会 再生可能エネルギー主力電源化制度改革小委員会 中間取りまとめ(案)に対する意見公募(電子政府の総合窓口(「e-Gov」へのリンク))
https://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=620219012&Mode=0