業況DIは、3カ月ぶりの改善。先行きは慎重な見方崩れず横ばい圏内(LOBO調査2018年11月結果)
日本商工会議所が30日に発表した11月の商工会議所LOBO(早期景気観測)調査結果によると、11月の全産業合計の業況DIは、▲14.9と、前月から+2.3ポイントの改善。ただし、「悪化」から「不変」への変化が主因であり、実体はほぼ横ばい。産業用機械や自動車、電子部品関連、建設業が堅調に推移した。また、インバウンドを含む観光需要の好調な動きや、農産物について、夏以降の価格上昇に落ち着きが見られると指摘する声も聞かれた。他方、原材料費・燃料費の上昇や深刻な人手不足、根強い消費者の節約志向が足かせとなっており、中小企業の業況改善に向けた動きには鈍さが見られる。
先行きについては、先行き見通しDIが▲13.7(今月比+1.2ポイント)と改善を見込むものの、「悪化」から「不変」への変化が主因であり、実体はほぼ横ばい。年末年始の個人消費拡大やインバウンドを含めた観光需要拡大、生産・設備投資の堅調な推移への期待感がうかがえる。他方、人手不足の影響の深刻化や、原材料費・燃料費の上昇、コスト増加分の価格転嫁遅れ、米国の保護主義的な関税措置に端を発する貿易摩擦、消費増税の影響を懸念する声も多く、中小企業の業況感はほぼ横ばいで推移する見通し。
項目別では、全産業合計の売上DIは▲5.3と、前月から改善。産業別にみると、全業種で改善した。
全産業合計の採算DIは▲13.1と、前月から改善。産業別にみると、建設業で悪化、その他の4業種で改善した。
全産業合計の資金繰りDIは▲8.7と、前月からほぼ横ばい。産業別にみると、卸売業で悪化、小売業でほぼ横ばい、その他の3業種で改善した。
全産業合計の仕入単価DIは▲42.0と、前月からほぼ横ばい。産業別にみると、建設業、サービス業で悪化、その他の3業種で改善した。
全産業合計の従業員DIは26.1と、前月から人手不足感が強まった。産業別にみると、小売業で人手不足感が弱まり、その他の4業種で人手不足感が強まった。
なお、今月の付帯調査は、「コスト増加分の価格転嫁の動向(BtoC、BtoB)」について実施。
詳細は、LOBO調査ホームページ(https://cci-lobo.jcci.or.jp/)を参照。