業況DIは、天候要因もあり3ヵ月連続の悪化。先行きも不透明感残る(LOBO調査2018年7月結果)
日本商工会議所が31日に発表した7月の商工会議所LOBO(早期景気観測)調査結果によると、7月の全産業合計の業況DIは、▲16.7と、前月から▲1.3ポイントの悪化。原材料費、燃料費上昇による負担増や深刻な人手不足の影響により、製造業を中心に広く業況感が悪化した。また、記録的な猛暑に伴い、夏物商材の需要拡大を指摘する声が小売業から聞かれた一方、サービス業からは猛暑や大雨などの天候不順により客足が減少したとの声が聞かれた。消費者の節約志向も根強く、足踏み状況が続いていた中小企業の景況感は、足元で弱い動きがみられる。
先行きについては、先行き見通しDIが▲15.4(今月比+1.3ポイント)と改善を見込むものの、「悪化」から「不変」への変化が主因であり、実体はほぼ横ばい。消費の持ち直しやインバウンドを含めた夏の観光需要拡大、生産や設備投資の堅調な推移への期待感がうかがえる。他方、人手不足の影響の深刻化や、燃料費・原材料費の上昇、コスト増加分の価格転嫁遅れ、米国の保護主義的な関税措置に端を発する貿易摩擦の影響を懸念する声も多く、中小企業の業況感はほぼ横ばいで推移する見通し。
項目別では、全産業合計の売上DIは▲11.6と、前月から悪化。産業別にみると、卸売業、小売業で改善、その他の3業種で悪化した。
全産業合計の採算DIは▲16.4と、前月から悪化。産業別にみると、小売業、サービス業で改善、その他の3業種で悪化した。
全産業合計の資金繰りDIは▲9.0と、前月からほぼ横ばい。産業別にみると、卸売業、小売業で改善、サービス業でほぼ横ばい、その他の2業種で悪化した。
全産業合計の仕入単価DIは▲43.3と、前月から悪化。産業別にみると、卸売業、小売業で悪化、その他の3業種でほぼ横ばい。
全産業合計の従業員DIは21.0と、前月からほぼ横ばい。産業別にみると、建設業、製造業で人手不足感が弱まり、卸売業では人手不足感が強まった。その他の2業種ではほぼ横ばい。
なお、今月の付帯調査は、「トランプ米政権の貿易摩擦の動きに伴う影響」について実施。
詳細は、LOBO調査ホームページ(https://cci-lobo.jcci.or.jp/)を参照。