業況DIは、緩やかな回復基調続くも、足元で一服。先行きはほぼ横ばい(LOBO調査2018年1月結果)
日本商工会議所が31日に発表した1月の商工会議所LOBO(早期景気観測)調査結果によると、1月の全産業合計の業況DIは、▲14.4と、前月から▲1.1ポイントの悪化。電子部品や産業用機械、自動車関連を中心とした生産や、インバウンドを含めた観光需要は堅調に推移するものの、深刻な人手不足の影響に加え、鉄鋼、農産物などの仕入価格や燃料費の上昇による収益圧迫から、建設業や飲食・宿泊業などサービス業の業況感が悪化した。ただし、「好転」から「不変」への変化も押し下げ要因となったことに留意が必要。中小企業の景況感は、総じて緩やかな回復基調が続いているものの、足元で一服感がみられる。
先行きについては、先行き見通しDIが▲13.6(今月比+0.8ポイント)とほぼ横ばいを見込む。個人消費の持ち直しやインバウンドを含めた観光需要拡大、輸出や設備投資の堅調な推移、補正予算などへの期待感がうかがえる。他方、人手不足の影響拡大や、原材料費・燃料費・運送費の上昇、コスト増加分の販売価格への転嫁遅れを懸念する声も多く、中小企業の業況感はほぼ横ばいで推移する見通し。
項目別では、全産業合計の売上DIは▲10.3と、前月から悪化。産業別にみると、卸売業でほぼ横ばい、その他の4業種で悪化した。
全産業合計の採算DIは▲15.3と、前月から悪化。産業別にみると、製造業でほぼ横ばい、その他の4業種で悪化した。
全産業合計の資金繰りDIは▲9.8と、前月から悪化。産業別にみると、建設業、製造業、卸売業で悪化、その他2業種ではほぼ横ばい。
全産業合計の仕入単価DIは▲41.4と、前月から悪化。産業別にみると、製造業でほぼ横ばい、その他の4業種で悪化した。
全産業合計の従業員DIは23.9と、前月から人手不足感が弱まった。産業別にみると、小売業でほぼ横ばい、その他の4業種では人手不足感が弱まった。
なお、今月の付帯調査は、「2017年度の新卒採用(2018年4月入社)の動向」について実施。
詳細は、LOBO調査ホームページ(https://cci-lobo.jcci.or.jp/)を参照。