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業況DIは、改善続く。先行きは慎重な見方が残るも横ばい圏内の動き(LOBO調査2017年12月結果)

 日本商工会議所が28日に発表した12月の商工会議所LOBO(早期景気観測)調査結果によると、12月の全産業合計の業況DIは、▲13.3と、前月から+1.6ポイントの改善。電子部品や自動車関連の生産が引き続き堅調に推移した。また、消費の持ち直しから小売業、サービス業を中心に売上が改善した。株価上昇を背景に高付加価値品の売上が増えたほか、例年より早い気温の低下に伴う冬物商材の動きや、インバウンドを含む観光需要の拡大を指摘する声が聞かれた。他方、深刻な人手不足に加え、鉄鋼、農水産物などの仕入価格や運送費の上昇、食料品・日用品に対する消費者の低価格志向を指摘する声が依然として多い。中小企業の景況感は総じて緩やかな回復が続くものの、その動きには鈍さが見られる。

 先行きについては、先行き見通しDIが▲16.6(今月比▲3.3ポイント)と悪化を見込むものの、「好転」から「不変」への変化が主因であり、実体はほぼ横ばい。消費の持ち直し、インバウンドを含めた観光需要拡大、輸出や設備投資の堅調な推移などへの期待感がうかがえる。他方、人件費の上昇や受注機会の損失など深刻な人手不足の影響や原材料費・燃料費・運送費の上昇、コスト増加分の販売価格への転嫁遅れを懸念する声も多く、中小企業においては先行きに慎重な見方が残る。

 項目別では、全産業合計の売上DIは▲6.0と、前月から改善。産業別にみると、建設業、製造業でほぼ横ばい、その他の3業種で改善した。 

 全産業合計の採算DIは▲11.9と、前月から改善。産業別にみると、製造業、サービス業でほぼ横ばい、その他の3業種で改善した。

 全産業合計の資金繰りDIは▲8.3と、前月からほぼ横ばい。産業別にみると、サービス業で悪化、建設業でほぼ横ばい、その他3業種では改善した。

 全産業合計の仕入単価DIは▲37.8と、前月からほぼ横ばい。2015年10月(▲36.4)以来、2年ぶりの水準が続いた。産業別にみると、建設業、卸売業で改善、サービス業でほぼ横ばい、その他の2業種で悪化した。

 全産業合計の従業員DIは25.6と、前月からほぼ横ばい。産業別にみると、建設業、製造業で人手不足感が弱まり、卸売業でほぼ横ばい、その他の2業種では人手不足感が強まった。 

 なお、今月の付帯調査は、「2017年度の所定内賃金の動向」について実施。

 詳細は、LOBO調査ホームページ(https://cci-lobo.jcci.or.jp/)を参照。