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業況DIは、3ヵ月ぶりに改善。先行きは慎重な見方残り、ほぼ横ばいの動き(LOBO調査2017年9月結果)

 

 日本商工会議所が29日に発表した9月の商工会議所LOBO(早期景気観測)調査結果によると、9月の全産業合計の業況DIは、▲15.3と、前月から+2.9ポイントの改善。ただし、「悪化」から「不変」への変化が押し上げ要因となったことに留意が必要。堅調な建設・設備投資に加え、インバウンドを含む好調な観光需要が全体を牽引した。また、電子部品、自動車関連の生産が引き続き底堅く推移した。他方、人手不足の拡大や、天候不順等による農水産物の出荷減・価格上昇、消費者の低価格志向を指摘する声は依然として多い。中小企業の景況感は総じて緩やかな回復が続くものの、そのマインドには依然として鈍さが見られる。

 先行きについては、先行き見通しDIが▲15.0(今月比+0.3ポイント)とほぼ横ばいを見込む。輸出や設備投資の堅調な推移、秋の行楽シーズンに伴う観光需要の拡大、消費持ち直しなどへの期待感がうかがえる。他方、最低賃金を含め人件費の上昇や受注機会の損失など人手不足の影響拡大、地政学的リスク、運送費・原材料費の上昇などを懸念する声は多く、中小企業においては先行きへの慎重な見方が続いている。
 項目別では、全産業合計の売上DIは▲8.5と、前月から改善。産業別にみると、全業種で改善した。 

 全産業合計の採算DIは▲14.4と、前月からほぼ横ばい。産業別にみると、小売業、サービス業で改善、建設業でほぼ横ばい、その他の2業種で悪化した。
 全産業合計の資金繰りDIは▲8.0と、前月からほぼ横ばい。産業別にみると、建設業で改善、製造業で悪化、その他の3業種ではほぼ横ばい。

 全産業合計の仕入単価DIは▲32.5と、前月から悪化。産業別にみると、小売業で改善、製造業、卸売業で悪化、その他の2業種でほぼ横ばい。

 全産業合計の従業員DI23.8と、前月からほぼ横ばい。産業別にみると、建設業、小売業で人手不足感が強まり、サービス業で人手不足感が弱まった。その他の2業種ではほぼ横ばい。 

 なお、今月の付帯調査は、「2017年度の所定内賃金の動向」、「日銀のマイナス金利政策導入後の金融機関の貸出し姿勢」について実施。

 詳細は、LOBO調査ホームページ(https://cci-lobo.jcci.or.jp/)を参照。