平成13年度事業活動計画 

 

平成13年3月22日

日 本 商 工 会 議 所

 

 

わが国経済は、政府の累次にわたる経済対策にもかかわらず、低調な個人消費や高水準で推移する失業率、米国経済の減速の影響や軟調な株価動向等により低迷感が強まっており、地域経済や中小企業の足元の景況は、引き続き大変厳しい状況にある。一方、現在のわが国は、経済活動や社会生活などあらゆる分野において大きな変革期にさしかかっており、経済構造改革、税制・財政構造改革、社会保障・医療制度改革、教育改革、地球環境問題、街づくりの推進など、早急に取り組むべき課題が山積している。平成13年度においては、景気回復を最優先課題とした機動的・弾力的な経済運営を継続するとともに、日本新生に向けてわが国の構造改革を大胆かつ強力に推進していく必要がある。

 

特に、民需主導による自律的な景気回復を実現するためには、わが国産業のダイナミズムの源泉である中小企業の活力を強化することが必要不可欠であり、税制、金融、人材、技術、情報化、国際化など各面における中小企業支援のための環境整備に努める一方、新規創業や意欲ある中小企業の経営革新を積極的に支援し、新たな成長分野へチャレンジさせることが重要な課題となっている。

 

また、第3次産業革命とも言われるIT革命の進展は、生産性の向上や新たなビジネスチャンスを創出し、経済に力強いダイナミズムをもたらすものと期待される反面、取り組みの遅れた中小企業に新たな格差を生ぜしめかねない。中小企業の情報リテラシーの向上やIT活用について、官民一体となって強力な支援策を講じ、中小企業がIT革命の波に乗り遅れることのないよう万全を期することが不可欠である。

 

一方、経済のグローバル化が一層進展し、国際競争が激化する中で、世界各国との相互理解・友好親善関係の維持・促進がますます重要性を増している。特に本年度は、PBEC(太平洋経済委員会)国際総会が日本において開催されることとなっており、こうした機会を通じ、アジア・太平洋諸国との経済界相互の関係をより一層深化させるとともに、中小企業の国際化を加速させていく必要がある。

 

翻って、中央省庁が再編され、地方分権が進展する中で、われわれ商工会議所は広域連携や合併に前向きに取り組むことにより、運営基盤を強化するとともに、162万会員を擁するネットワークをより強固なものとし、地域経済社会、ひいてはわが国経済社会の発展のために、今こそ日本新生のリーダーとして、課された使命を積極果敢に果たしていかなければならない。このため、昨年5月の日本商工会議所沖縄会議において、自らを新しい時代にふさわしい形に変え、行動することを決議した、沖縄宣言「変わろう、頑張る中小企業と活力ある地域のために」の理念に基づき、「当面の商工会議所の課題と行動計画」(アクションプログラム)の着実な推進を図ることが重要である。

 

このような認識のもと、日本商工会議所は、各地商工会議所の活動を積極的に支援しつつ、次の活動を強力に推進する。

 

 

T.全国商工会議所の総力を結集した日本新生のための政策提言活動

 

1.地域経済や中小企業の足元の景況が依然として厳しい中で、引き続き、景気回復を最優先課題とした機動的・弾力的な経済運営を継続するよう、意見・要望活動を行う。

  また、中小企業のIT化、街づくりの推進等当面する諸問題や、経済構造改革、税制・財政構造改革、社会保障・医療制度改革、教育改革等今後のわが国の中長期的な社会・経済運営、企業経営等に関する総合的な重要政策課題について調査・研究し、意見・提言を取りまとめる。

 

2.取りまとめた意見・提言は、全国商工会議所の総力を結集してその実現に努めるとともに、要望の実現状況や成果を地域社会に広く周知する。

  また、創業者や経営革新を図る中小企業に対する支援事業などのPRを通じて商工会議所の役割と存在意義を強くアピールするとともに、マスコミに対するパブリシティ活動やインターネットによる情報発信を積極的に推進する。

 

3.LOBO(早期景気観測)調査の調査対象地域・数の拡大等調査内容の充実を図りつつ、景気動向の一層の迅速かつ的確な把握に努め、政策提言活動に活用する。

 

 

U.多様で活力ある中小企業の創業・発展支援

 

1.法人事業税の外形標準化を断固阻止すべく、引き続き反対運動を強力に展開するとともに、事業承継税制をはじめとする中小企業関連税制のより一層の改善を目指す。

  また、国・地方を通じた税体系、財政構造のあり方などについて検討し、コンセンサスの形成を図る。

 

2.「多様で活力ある独立した中小企業の育成・発展」という新たな中小企業政策の基本理念のもと、創業予定者や意欲ある中小企業者の経営革新を支援するため、次の活動を推進する。

 

(1)創業予定者を対象に新規開業応援セミナー、短期集中研修(創業塾)等を開催するとともに、地域中小企業支援センターを設置する商工会議所とも連携を図りながら、各地商工会議所が創業予定者や経営革新を図る中小企業に対しきめ細かな相談・支援等を行えるよう、環境整備を図る。

 

(2)経営革新により業務拡大を目指す企業や優れたビジネスプランを持つ創業予定者などを対象に資金調達に関するセミナーを開催するとともに、ベンチャーキャピタルを紹介し、出資やコンサルティングを通じて地域有望企業を支援する「地域有望企業発掘・支援プロジェクト」を実施する。

 

(3)経営指導の質的向上を図るため、「POM(経営相談時点情報管理)システム運用管理委員会」を設置し、本システムの活用推進策について検討するとともに、経営支援マニュアルを蓄積・共有する「マーケティング・マニュアル管理システム」についてデータ整備を図る。また、外部データベースの効果的な活用方法について、情報提供等を行う。

 

(4)中小企業等からの高度な経営相談に対応するため、専門的知識・技能を持った、企業等を退職した中高年齢者等が新規創業・中小企業の経営革新の支援にあたる「地域中小企業エグゼクティブ・コンサルティング事業(仮称)」の実施に向け、検討を行う。

 

(5)新規開業者向け小企業等経営改善資金融資制度(新経)の利用率向上を図るため、制度の運用改善等利用促進策について検討する。また、増加傾向にある小企業等経営改善資金(マル経)の事故率改善のための種々の対策を実施するとともに、マル経の貸付事例を収集・分析し、審査の際に参考となる事故防止策の情報をイントラネット等を通じ提供する。

 

(6)大学・高専、公設試験研究機関などと中小企業とのネットワークを構築するために各地商工会議所が行う産学官連携事業を支援するため、TLO(Technology Licensing Organization:技術移転機関)協議会へ参画するとともに、TLOの動向等に関する情報提供等を行う。

 

(7)「小規模事業者支援促進法」に基づく基盤施設事業の実施を支援するため、実施事例の紹介、債務保証事業に関する情報提供等を行う。

 

3.金融機関の再編、ペイオフ解禁等の金融環境の変化が中小企業に与える影響を調査し、中小企業の対応策および新たなビジネスチャンスの可能性等について研究する。

  また、政府系金融機関による貸付条件の拡充、貸出し枠の拡大等を求めることにより、中小企業への円滑な資金供給の確保に努める。

 

4.技術開発力を有する中小企業を活性化し、独自性のある事業活動の促進に資するため、SBIR(中小企業技術革新)推進協議会と連携し、SBIR制度に関する普及・啓発、情報の収集・提供等を行う。

 

5.企業のISO(国際標準化機構)の認証取得に対するニーズの高まりの中で、ISOの認証取得にかかる費用と期間、手続きの煩雑さなどの障害を緩和するため、ISO認証の取得方法に関する情報の収集・提供を行うとともに、中小企業がISO認証を取得しやすいスキームについて検討する。

 

6.雇用情勢の変化等に応じた労働法制の改正等に対して中小企業が円滑に対応できるよう、法制度の内容等について周知・啓発を図る。

  また、人材需給のミスマッチを解消し、人材移動の円滑化を図るため、人材需給マッチング事業研究会において、具体的な事業化の方策について調査・研究を行う。

 

7.倒産防止特別相談事業の効果的な推進を図り、倒産の未然防止に努めるとともに、中小企業にとって使いやすく簡素で迅速な、民事再生法に基づく新再建型手続きの普及を図る。

 

8.中小企業取引に係るADR(裁判外紛争処理)制度の普及・啓発を図るため、(社)国際商事仲裁協会と連携してADRに関するフォーラムの開催、弁護士等による移動相談の実施、仲裁人リストの整備等仲裁体制の充実を図るとともに、ADR事業の円滑化を促進するため、標準処理要領の作成等を行う。

 

9.不公正な取引など中小企業をめぐる厳しい取引環境の改善を図るとともに、商取引に係る紛争処理の円滑化に資するため、各地商工会議所等における中小企業取引に関する苦情・相談等について調査・研究を行う。

 

10.発足後5年を経過した中小企業PL保険制度への加入促進に引き続き努めるとともに、昨今の保険の自由化や保険商品の総合化等の環境変化に対応するため、制度の見直しを検討する。

 

 

V.総合的な街づくりの推進と地域振興

 

1.街づくり総合調査の実施や街づくり推進小委員会等における「街づくり3法」の活用促進、総合的な土地利用規制の確立のための方策に関する調査・研究を通じ、各地における街づくりを総合的に支援する。

 

2.中心市街地活性化に関する施策や事例の情報収集・提供等により、各地における中心市街地活性化への取り組みの一層の推進を図るとともに、各地での街づくりシンポジウムの開催支援、街づくりのための人材確保・育成策等について検討する。

  また、「TMO協議会(タウンマネージメント推進協議会)」の運営に積極的に参画し、TMO活動を支援する。

 

3.大店立地法に基づく届出・運用状況に関する調査の実施、「大店立地法運用連絡会議」の開催等により、法律の運用状況を把握し、各地商工会議所の対応を支援する。

 

4.土地利用規制の実効性を向上させるため、改正都市計画法の運用に関する情報提供を行うとともに、「まちづくり推進連絡協議会」が設立した「まちづくり条例研究センター」の運営に積極的に参画し、条例制定の動きを促進する。

 

5.各地商工会議所における地域活性化への取り組みを支援するため、「地場産業活性化小委員会(仮称)」において、地場産業等の振興策を検討する。

 

6.電源立地地域の商工会議所間の交流拡大を図るとともに、電源立地地域の特産品や観光情報の収集・提供を行う等、電源立地地域の振興を支援する。

 

7.ホームページ上に設けている「街づくり情報ナビゲーター」の内容充実や、各地商工会議所の職員等を対象にした研修会・セミナー・視察会等の開催を通じ、各地の街づくりや地域振興への取り組みを支援する。

 

 

W.IT革命に対応した情報活動基盤の拡充強化

 

1.中小企業が情報ネットワーク社会に取り残されないように、中小企業の情報基盤の整備や人材育成を支援するとともに、各地商工会議所における経営指導の充実化を図るため、平成12年度に実施したミレニアムプロジェクトのフォローアップに引き続き努め、次の活動を推進する。

 

 (1)商工会議所会員企業向けのビジネスポータルサイト「Chamber Web」の内容を拡充強化するとともに、全米商業会議所、大韓商工会議所、香港貿易発展局、中日経済貿易発展基金会のポータルサイトとの連携を図り、国内企業と海外企業とのビジネスマッチングの推進を図る。

 

(2)中小企業や地域住民等に対し、ITの初歩的な操作法や活用法の指導と支援を担当する「ITヘルパー」を全国規模で養成し、組織化を図る。

 

(3)各地商工会議所が行うパソコン斡旋事業およびネットワーク活用事業を支援するとともに、(株)カリアックが格安で提供する「商工会議所インターネット接続サービス」を推進する。

 

(4)研修カリキュラムや教材の開発・提供、講師育成等により各地商工会議所に設置されたパソコン教室の運営を支援する。

また、中小企業等への実践的な指導が可能となるよう、商工会議所役職員の情報リテラシーの向上を図るための各種研修会を開催する。

 

(5)「情報化実態調査」および「情報化進展度チェックリスト」等により、各地商工会議所における情報化の進捗状況を把握し、情報機器の配備、LAN構築など情報基盤の整備を積極的に支援する。

 

2.消費者保護およびEC(電子商取引)市場の発展と事業者の育成に資するため、平成12年度に創設した「オンラインマーク制度」について広く周知し、制度の普及を図るとともに、各地商工会議所との連携により円滑な事業運営を行う。

  また、マーク取得事業者に対する各種情報提供や決済サービスの導入など付加価値サービスの提供について検討する。

 

3.ECの急速な普及および電子署名法の施行や行政手続の電子化などに対応するため、企業およびその代表者、従業員を認証する電子証明書を発行する「日本商工会議所電子認証制度(仮称)」について検討する。

 

4.中小企業の情報化を支援するため、特定非営利活動法人ITコーディネータ協会への参画を通じ、IT分野の人材育成を図るとともに、各地商工会議所を通じたITコーディネータの活用策を検討する。

 

5.TOAS(トータルOAシステム)について、ユーザー商工会議所の意見・要望を踏まえ、システムの進化に対応した新たなバージョンの研究・開発を行う。また、TOAS操作を容易にするための「ユーザーズマニュアル」の充実を図る。

 

6.流通分野のIT化を促進するため、JAN(商品メーカー)コードの登録受付を行うとと

 もに、POS(販売時点情報管理)システムの一層の普及促進を図る。

 

 

X.構造改革の推進と活力ある経済社会実現に向けての環境整備

 

1.規制緩和、地方分権および中央省庁再編後の政府の動向把握に努めるとともに、「行政改革問題研究会」において、地方公共団体におけるユニークな事業、官から民への事務・事業の委譲のあり方とその受け皿作り、市町村の合併・広域連携等について研究する。

  また、必要に応じ意見・要望を取りまとめ、行政改革の推進に向けて政府等へ働きかける。

 

2.年金・医療・介護等の社会福祉に係る諸問題について調査・研究を行うとともに、「社会保障問題懇談会」において社会保障制度の給付と負担のあり方等について検討を行い、意見・要望活動を行う。

  また、創設が検討されている確定給付企業年金法について、制度の新設、現行制度からの移行および制度の運用にあたり中小企業に過度な負担が生じないよう、政府へ働きかける。

 

3.確定拠出年金法の早期成立を政府に働きかけるとともに、同制度の中小企業への円滑な導入を図るため、中小企業の従業員や個人事業主等を対象に各地商工会議所が実施するセミナー・講習会用の教材を作成し、提供する。

  また、商工会議所における確定拠出年金制度に関する事業化の可能性について調査・研究を行う。

 

4.「介護・福祉サービスに関するワーキンググループ」において、介護福祉サービス提供事業者の情報開示基準やサービス評価基準、高齢者にとって生きがいのある社会づくり等について研究する。

 

5.少子高齢化問題、エイズ等の健康問題、体育・スポーツ振興、ボランティア活動など国民の生活・福祉・健康に係る諸問題について調査・研究するとともに、情報収集・提供を行う。

 

6.「教育改革国民会議」の最終報告を踏まえ、今後の教育改革のための主要施策およびタイムスケジュールを取りまとめた「21世紀教育プラン」について検討し意見・要望活動を行うとともに、企業や商工会議所が実施している教育・子育て支援策について調査・研究し、その結果をインターネットを通じて提供する。

                                   

7.法制審議会において検討の行われている商法における会社法制の見直しについて研究を行い、大多数を中小企業が占める非公開会社の定款自治の拡大など企業経営の実態に即した方向での改正実現を目指す。

 

8.消費者契約法の円滑な定着を図るため、法制度の内容について周知・啓発を図るとともに、企業の対応策等を検討する。

 

9.わが国には企業会計審議会が指針として示す企業会計原則以外に企業がよりどころとする会計基準がないことから、より明確で国際会計基準に対応した新たな基準の策定に対する企業のニーズに対応するため、現在、民間サイドが主体となって検討している新たな会計基準の調査・研究等へ参画し、その実現に向け協力する。

 

10.循環型社会の形成促進を図るため、中小企業が実施する容器包装の再商品化事業について、(財)日本容器包装リサイクル協会からの受託業務の円滑な実施に努める。

  また、環境問題への取り組みの重要性等について普及・啓発を図るため、地球環境シンポジウムを開催する。

  さらに、各地商工会議所が取り組む環境問題に関する事業のデータベース化を図り、情報提供する。

 

 

Y.国際経済交流の推進と中小企業の国際化支援

 

1.各種経済ミッションの派遣および諸外国からの経済ミッション等の受入れを行い、経済交流の促進を図るとともに、相互理解と友好親善に努める。

 

2.二国間・多国間経済委員会等の活動を充実化させるとともに、諸外国、特にわが国と密接な関係にあるアジア・太平洋諸国・地域との協力と交流を深化させるため、インターネット等を活用して企業間取引までを視野に入れた双方向の情報交流機能の強化を図る。

  また、平成13年4月に東京で開催されるPBEC(太平洋経済委員会)国際総会や、CACCI(アジア商工会議所連合会)の諸活動を強力に推進するとともに、それらとの連携を図りつつ、ABAC(APEC(アジア太平洋経済協力会議)ビジネス諮問委員会)や中小企業会議をはじめとするAPEC関連の民間会合を支援し、域内の貿易・投資の促進と中堅・中小企業の育成を図る。

  さらに、平成14年にインド、パキスタン、スリランカが日本との外交関係樹立50周年、バングラデシュが30周年を迎えることから、政府主導の記念事業に対し、民間サイドの協力体制を整える。

 

3.経済のグローバル化への中小企業の円滑な対応を図るため、「国際貿易政策研究会」において、WTO(世界貿易機関)次期ラウンドやAPECの活動、シンガポール、韓国、メキシコ等との二国間自由協定(FTA)に関する対応策等を調査・研究する。

 

4.中小企業の国際化を支援するため、日系進出企業の多いアジア地域(インドネシア、韓国、シンガポール、タイ、中国、フィリピン、マレイシア)の日本人商工会議所やジャパン・クラブとの連携を図り、地元政府等への意見・要望活動およびホームページ、電子メールによる経営相談を通じて、日系進出企業が経営上で直面している諸問題の解決に努める。

  また、インターネットを通じて、海外取引を希望する日本企業の英文情報を提供するとともに、海外からの取引希望企業情報を提供し、ビジネスマッチングの推進を図る。

 

5.各地商工会議所が海外地域との間で実施している“ローカル・トゥ・ローカル”(地域レベル)の交流活動について、情報やノウハウの収集・提供に努め、促進を図る。また、国内各地域への外資の受入れや、国際会議・イベント等の誘致を支援し、地域経済の活性化、国際化を促進する。

 

6.「商工会議所貿易関係証明発給事務規則」の一層の普及を図り、貿易証明業務の標準化を推進する。また、経済産業省が支援している貿易金融EDI(TEDI)における進捗状況を踏まえつつ、原産地証明書の発給業務の電子化について検討する。

 

7.国際商業会議所日本委員会、(社)国際商事仲裁協会などの関係団体等との連携を一層強化し、貿易の円滑化に努める。

 

 

Z.各種検定試験のIT化の推進と受験者数の拡大

 

1.各種検定試験をより時代のニーズにマッチさせ、社会の評価を高めていくための方策を検

討するとともに、次に掲げる制度の改善・試験内容の見直しを行い、実現可能なものは平成

14年度施行分から実施する。

 

(1)検定試験を本格的なIT時代に対応した内容としていくため、インターネットによる

  申し込み受付から試験実施、合格発表まで行えるような体制づくりを研究する。

 

 (2)IT化の推進に必要な基本知識・能力を測るための新規検定試験の開発を行うとともに、IT化を推進する知識・能力を備えた人材の育成の観点から、既存のビジネスコンピューティング検定試験1級について、試験結果を受験者にフィードバックする仕組みを導入する。

 

2.商工会議所検定試験の認知度をさらに高めるため、平成12年度に引き続き、4月と9月の「検定試験PR月間」に、各地商工会議所の協力を得て集中的なPR活動を行う。

 

3.インターネットの検定試験専用サイトのコンテンツを一層充実させ、模擬試験、メールマガジン等受験者に対するサービスや情報提供を拡充する。

  また、民間出版物、パンフレット等を活用して様々な試験情報を企業、学校、受験者、指導者等に提供・周知し、受験者数の拡大を図る。

 

 

[.全国商工会議所の交流促進と活動支援

 

1.各地商工会議所における組織の広域連携や合併の自主的な推進を支援するため、商工会議所の広域連携・合併等に関する組織および事業活動のあり方、地方分権推進の原動力としての商工会議所の役割について検討を行うとともに、合併問題に取り組む商工会議所の参考に資するために、合併手続き等を解説したマニュアルを作成する。

 

2.21世紀を迎えて、全国の商工会議所の一層の飛躍を期して、役員・議員の連帯意識を高めるとともに、これからの商工会議所活動のあり方等を確認するために、「全国商工会議所役員・議員大会」を開催するほか、議員憲章の制定、役員・議員名鑑の作成等の特別事業を実施する。

 

3.各地商工会議所の運営や事業活動の実施の円滑化に資するため、「商工会議所運営問題研究会」において、アクションプログラムのフォローアップを行うとともに、運営面・事業面の諸課題等について、引き続き多面的に検討し、具体化に努める。

 

4.各地商工会議所が自らの組織・財政等の現状について、全国の商工会議所との比較により、自己診断ができるように、各種デ−タの整備・充実を図り、各地商工会議所に提供する。

 

5.各地商工会議所の会員拡大に資するため、全国レベルで支社・支店等を展開していながら商工会議所の会員になっていない企業等に対して、商工会議所への加入を要請する。

 

6.経済・社会情勢の実情や各地商工会議所のニーズに的確に対応できる事業・運営体制の整備を図るため、日本商工会議所の委員会組織の審議事項、名称について検討を行い、委員会を再編成する。

 

7.現行の永年勤続を中心とした表彰に加え、勤続年数・年齢にかかわらず、各地商工会議所の範となる優れた者を顕彰する表彰制度を創設する。

 

8.各地商工会議所青年部・女性会等の活動を積極的に支援するとともに、全国商工会議所青年部連合会および全国商工会議所女性会連合会の事業および組織のより一層の強化を図る。

 

9.「休業補償プラン」、「チェンバーズカード」、「慶弔サービス」等の会員サービス事業の一層の普及推進を図るとともに、商工会議所が行うにふさわしい新規事業の研究・開発を行う。

 

10.「石垣」および「会議所ニュース」の内容の一層の充実を図るとともに、購読者の拡大を図る。なお、「石垣」については、新世紀を迎え、多くの商工会議所の役員・議員の任期がスタートすることに鑑み、平成13年11月号から誌面を一新する。

  また、商工会議所活動のPRや商工会議所に対する認識を深めるための会報づくりに資するため、「所報サービス」や各地商工会議所職員を対象とした研修会の開催など、商工会議所の広報活動への支援強化に努める。

 

11.各地商工会議所役職員の能力開発、人材育成を支援するため、平成12年度に策定した人事考課モデル規程の普及・啓発を図る。また、日本商工会議所と各地商工会議所の職員交流研修を行うとともに、「商工会議所福利研修センター(カリアック)」の積極的な活用を通じて研修の充実を図る。

 

12.商工会議所運営に関する情報提供や商工会議所法に係る各種相談等への的確な対応を通じて、各地商工会議所、特に小都市商工会議所の運営や事業活動の円滑な推進を支援する。

 

13.各地商工会議所間、日本商工会議所と各地商工会議所間における情報の相互交流、意見交換等の環境整備を図るため、イントラネットや電子会議室等の充実を図る。

  また、表決権行使等の電子化を可能とする商工会議所法の改正を受けて、会員総会等諸会議の案内、出欠・委任状等の提出について、電子認証制度の普及状況も踏まえつつ、イントラネット、電子メール等の利用を促進する。

 

14.事務局の電子起案・決裁システムの検討を進め、日本商工会議所が各地商工会議所のモデルオフィスとしての機能を果たすことにより、商工会議所の一層の情報化を推進する。

 

 

以 上