「地域・中小企業におけるIT・IoT等の活用推進に関する意見」を公表
日本商工会議所(三村明夫会頭)は、本日(7月18日)、「地域・中小企業におけるIT・IoT等の活用推進に関する意見」を取りまとめ、今後、内閣総理大臣、経済産業大臣をはじめ政府・政党など関係各方面に提出します。
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本意見書の概要は次のとおりです。
【ポイント】
〇中小企業の生産性向上の鍵はIT活用の推進。「クラウド会計」や「身の丈IoT」など安価で便利なサービスが広がり始め
ているが、地域・中小企業のIT活用が大きく広がる「発火点」には達していない。
〇そこで、「クラウド導入支援人材の育成」や「クラウド活用事例の横展開」を提言するとともに、ユーザ目線で
「身の丈IoT」の開発・普及を図る企業への補助などを求める。また、大企業の技術・ノウハウ・人材を中小企
業に提供・共有する動きに対する政府の後押しを求める。
〇施策の浸透には相応の時間を要するため、政府にはIT活用推進に向けた息の長い支援を期待する。
【意見概要】
1.クラウドサービスの導入促進に向けた支援人材の育成等
(1)「クラウド導入支援人材」の育成(地域IT人材再教育、地域企業とのマッチング、顕彰制度の創設)
(2)中小企業のクラウド活用事例の横展開、顕彰制度の充実
(3)「IT導入補助金」の継続・拡充(支援人材費用の対象化、クラウド加点継続、地域への普及強化)
(4)「スマートSMEサポーター」「ここからアプリ」の充実、「ミラサポIT専門家最大5回派遣」の継続・拡充、
クラウド一斉導入への支援、中小企業経営者・従業員のIT資格取得費用の助成
2.身の丈IoT・AI、ロボット等の開発・普及促進、導入の機運醸成
(1)「身の丈IoT・AI」の開発・普及を行う企業への補助制度の創設
(2)スマート生産性向上応援隊の継続・拡充、地域の産学官の取り組み支援
(3)中小ものづくり現場とロボット技術の双方に通じた地域のシステムインテグレータの育成
(4)展示商談会実施、体験スペース設置、動画発信、表彰実施
3.大企業による中小企業のIT等活用支援を後押しする仕組みの構築
(1)中小企業の工場自動化・ロボット導入に対する支援
(2)大企業・ITベンダのOB等を中小企業と共有する仕組みの構築
4.インバウンド需要獲得に向けたキャッシュレス決済等導入・EC活用に対する支援
地域・業界での一斉導入支援など関係省庁・関係機関の連携強化(観光地情報発信/ネット予約/多言語表示・翻訳/キャッ
シュレス決済・モバイルPOSレジ・クラウド会計/Wi-Fi/宿泊施設・店舗業務の効率化・省人化/越境EC・国内EC活用)
5.サイバーセキュリティ対策の推進
相談窓口設置、調査・復旧支援体制構築、継続的な意識向上を促す普及活動、クラウド導入推進
6.経営支援の高度化・効率化に対する支援
(1)オンライン経営相談の中小企業支援機関全体への拡大
(2)商工会議所経営指導員等のIT資格取得の奨励、取得費用への助成